入手したキット。フジミはパッケージを何回か変えているが、これは最初期のものらしい。リアルスポーツカーシリーズＲＳ−１という型番が印刷 されているが、現在ではＲＳ−１０１と型番を振りなおしていることからもうかがえる。古いものらしく取説は黄ばんでて、デカールは使い物に ならんかった。

	ディテールアップ用のエッチングパーツも使うことにした。こいつはすんなりと入手できた。フジミのディノは今回作ったリアルスポーツカーシリーズ と、もう一つエンジンなども再現されたエンスージアストシリーズも出しているが、このエッチングパーツは両方に適応しているためエンジンにくっつける パーツも構成されている。

	キットはメッキされたランナーも付属するが、ヘッドライトやマフラーカッターなど深さのあるパーツは全然めっきが載っておらず、塗装も必要な パーツもあり、一部を除いてメッキを落とした。メッキ落としは定番、漂白剤を使い５分程度で完了。

	ボディーは後回しにしシャシや内装を作る。 このキットの厄介なところはフロントのボディーパーツが上下に分割されているところ。 キットの組立説明書ではシャシにボディの上半分を乗っけて、その後フロント下部を接着するよう指示されているが、このとおり組むとボディーに 接着接合部が残ってしまう。かと言ってボディのフロントオーバーハング下半分を先に接着＆整形すると、シャシが組み込めない。 ネットでキットを組んだ方々の製作記事を拝読すると、その対応策としてシャシを２分割とか３分割に切断し、完全に接着し継ぎ目 を消し仕上げたボディーに分割したシャシを後入れするのがもはやデフォルトだという。この信じがたいデフォルト設定に驚愕しつつ自分なりに 分割を考えてみる。

	この辺でぶった切ってみる。白い角棒はあとで元通り接着するときのためのガイドとしてくっつけた。 でも最終的にはシャシの後ろ半分をボディに先に入れて前半分を最後に入れる方式としたためこのガイド棒は外した。ここにあると 前半分を入れるとき邪魔になるので。

	この部分はボディに入れる際に邪魔なので、出っ張る分は切り取った。

	ほかにもシャシとボディ合体に邪魔になる部分を調整する。ここは幅が41.5程度だが。

	それがはまるボディの部分は38.2くらいしかない。

	ボディのこの黒い部分は切り取ることとする

	スムーズに入るようになりました。

	バスタブ状のコクピット。足回りはエッチングのペダルをつけるため削り取る。

	シートのヘッドレストは一体になっているので切り離しプラ棒で接続し直し。

	これはノーマル状態だが、のちにエッチングのシフトゲートと灰皿をくっつけるためセンターコンソールの モールドは削り取った

	シャシの後輪周りを塗装する。

	エキパイは一体化されているので横から見るとひどいモールド。パイプとかで作り直すとよいのだが完成後見えないのでこのまま。

	メーター周りを作る。まずはインパネを接着整形し黒く塗装しておく。

	エッチングパーツを貼るとこうなる。大きなメーター２つだけ、デフォルトのモールドが微妙に中央から外向きにずれているのがわかった。

	メーターのデカールをポンチで切り抜く。

	小さいメーターはモールド通りの位置に、先ほど確認した大きなメーター２つはモールドよりやや内側にわざとずらし貼る。 デカールは劣化が激しくボロボロになってしまったが、崩壊したものを継ぎ合わせつつ、それっぽく修復。

	エッチングパーツを貼る。中央２つの大きなメータもうまくエッチングパーツの穴の中心に収まった。

	ガイアノーツのUV硬化型ジェルを使いメーターのガラスを作る。こいつはすごく使える。透明度高いし数秒で固まるし 経時劣化も少ないようです。もともとはフィギュアの瞳のコーティングなどの用途に使うものらしいけどカーモデルにも 多様に使える部分があります。

	インテリアを塗装しエッチング製のペダルをつけた。どうせ見えなくなるけどね。インテリアは床を赤のカーペットを イメージ、その他はベージュの本革張りをイメージした。

	インテリアができました。ホーンボタンにもUV硬化ジェルを使用。シフトゲートと灰皿、ラジオ、スイッチ類にエッチングパーツ。 二点式シートベルトも作りました。

	タイヤのパーティングラインのバリ（右側）はみすぼらしいので（左のように）削ります。適当な丸い棒（今回はアロンアルファの外筒）に タイヤをハメてハンドドリルにて回転させながら＃１８０くらいのペーパーで落とした。この時サラダ油をたらしながらやるときれいに仕上 がりますが、今回はドライ切削。

	ディスクブレーキにもエッチングパーツを貼る。これこそホントに完成後は見えなくなるが、貧乏性なのでつけておく。

	いよいよボディ工作に入る。まずはグリル部分のモールドがあまりに野暮ったいので下のようにくりぬきます。

	ボンネットフードの開口部はプラの厚みが目立つので裏から薄く削っておく。右が施工前、左が施工後。

	ボディのこの部分はさすがに別パーツ構造。よって結構派手なパーツ接合部が残る。

	逆はこんな感じ。非常に手が入りにくく、かつ目立つ部分なので丁寧に整形する必要がある。

	ここに目立つ隙間がある。いかんなあ。

	あれ？逆はそんな目立たない。まあ、うまいこと塞ぐこととしよう。

	ドアにあるエンジン冷却用と思しきエアインテーク穴。ここは裏からパイプ状の部品のイモ付構造なので非常に継ぎ目が目立つうえ 整形しにくい。ここも時間かけてゆっくりやるしかないな。

	リア周り。ひどいヒケですな。成形が厄介そう。

	全体にサフを吹いてペーパーで一舐めしてみた。うーむ。ひどいボディのヒケだ。

	ヘッドライト後方のフェンダー上部はモロにパーティングラインが走る

	ボンネットはボディとの段差が結構大きい。

	屋根もひどい。とくに向かって右の大きな凹みはパテを盛らんと修復できんかな。

	問題のリアウインドウ左右の後方。大きな継ぎ目ができる。

	ここにも大きなパーティングラインとヒケが。

	ヒケヒケです。でもまあまっ平らなので比較的楽かな。

	ヘッドライト基部はメッキを落としたので、代わりに１００均で買ってきたメタリックテープを丸く切って貼り、 ガラス部のクリアパーツで覆ってしまうことにする。このガラスのクリアパーツは金型がポカなのか、モールドが汚い です。でも修復する腕がないのでそのままです。

	リアのエンジンカバー部の開口部。ここもフロントのボンネット同様にプラの肉厚を薄く裏から削る。右が施工前、左が施工後。

	グリル部分のエッチングパーツを組み立てる。出来が良いので割と簡単に組める。

	開口したフロントのパーツに仮組してみる。無調整でぴったりとおさまった。これだけシャープにかっちり決まると 気持ちいい。が、塗装前にぴったりということはこのあと塗装すると塗膜厚分だけクリアランスが厳しくなるということ。 ちょっと調整しておこう。

	グリルのエッチングがぴたりはまることを確認したのでフロント周りを接着する。あとで磨きこむときにパキっと剥がれたり すると全部やり直しになってしまうのでセメントをたっぷり塗ってがっちりつける。

	さらに補強のため裏から食いつきの良いタミヤパテでしっかり裏打ちする。これで少々のことで割れたりしないでしょう。

	バンパーは塗装の際の持ち手を兼ねるのとボディーへの位置きめの簡便さから、位置きめピンを作り直す。ミラーは0.5ｍｍの真鍮線 でボディーへの位置きめ兼補強とする。

	こいつは自作したリアエンジンフードの開口部塞ぎパーツ。0.5ｍｍの段差を作ってある。

	くっつけるとこうなります。適度に穴の奥行きができ、かつ目隠しになる。

	大体ボディー全体の整形が終わった。

	サフを吹く。

	真っ白に塗装。

	下地のピンクを塗装

	ボディ塗装の合間にリアガラスの整形をする。ヒケや傷がひどく透明度がない。一度＃600で平らに整形し、 どんどん番手をあげて透明度を復活させていく。

	もうほとんど仕上がって最終コンパウンド磨きをしていたら割れました（泣）。このパーツは中心にウエルド が入っていて割れやすいのは承知していて、かなり慎重に作業していたのですが、完成目前に気が緩んだのか やってしまいました。

	割れたガラスはいったん現実逃避し記憶からけしボディーを進める。基本塗装の赤を塗る。

	クリア塗装を数回にわけて行い、表層を作っていく。当然このように表面はユズ肌になる。こいつを この後の工程で平滑にしていくことになる。デカールがない分だけ今回は楽かな。

	内装を作りこんだ分だけ苦労が報われないと悲しいので、中がよく見えるようサイドウインドウは収納してある 前提とし切り取った。全体は＃600で一回表面を全部削って凹凸や傷を消し、＃800、＃1000、＃1500と番手を 上げて磨きこみ、そのあと中目コンパウンド→極細目コンパウンドで磨いて仕上げた。

	ボディの工程に戻り、一回中研ぎを行う。＃1500のペーパーを全体に当てて表層のクリア部分のみ薄く平滑に削ってユズ肌をなくす。

	そのうえでもう一回クリアを塗るとこのようにきれいなテカテカ表面になる。

	合間にワイパーを作る。こいつもエッチングパーツを折り曲げて作る。しかし作ったはいいがどうやってボディにくっつけるのか？？？ エッチングパーツの説明書にも何も書いてないのでさっぱり不明。 悩んだ挙句、もともとのキットのワイパー基部をエッチング製ワイパーにくっつけハイブリッドにして製作。

	逆側も同様に。ワイパーもカチッと薄くエッジが効いているとモデルが引き締まります。

	バンパーを黒く塗装し、メッキ部分を再現する。ハセガワのミラーフィニッシュシートを貼って再現する。 右がパーツのまま、左がミラーフィニッシュを貼った状態。

	さて、中研ぎ後クリアーをかけたボディをコンパウンドで磨く。

蛍光灯も映りこむようになった。時間をかければ鏡のようにくっきり映り込むほどまでできるのだが、 今回はこれくらいで十分でしょう。

	あとで作るベースに固定するため、ここにナットを埋め込んでおく。スペースがないのでナットは薄く 削ってあります。

	窓枠をメッキ状にするため、ここもミラーフィニッシュを貼りこむ。全体に貼ってから不要部をよく切れる カッターで切り取っていく。

	はい、仕上がりました。サイドウインドウとリアウインドウ周りも同様に実施する。

	塗装後にグリルを埋め込む。黒く塗ったあとなのでボディの赤とのコントラストでくっきり締まります。

	エッチング製のエンブレムを貼る。ちっさいので塗装が大変、しっかりDinoの文字が入ってます。これもUV硬化ジェルでコート。 ウインカーはいろいろ資料写真を見るとオレンジのものと透明のものが混在し、区別が不明（仕向け先の国によるのかな？）。 何となくかっこいいので透明の状態とした。箱絵もこんな感じだったし。

	さあ、いよいよボディとシャシを合体。見てわかるとおりこのボディに一体でシャシを組むのは不可能。前述のとおりシャシは ２分割に切断したが、それでも見るからに入れるのが困難に見える。実際最初の状態ではボディに入らず、完成後見えないところを 結構追加で切ったり削ったりしています。

	まあなんとか合体しベースに固定しました。

	リアはこんな感じ。割れたウインドウは結局パーツ請求。再び割ると悲しいのでキットのまま接着しました。

	フロントより。ベースは１００均で買ったフォトフレームにプラ板を貼ったもの。何となく公道の片隅の歩道脇をイメージ。

	手を付けてから２か月ほどかかりましたがようやく完成。

	リア周りにはエッチング製のナンバープレートとDinoGTのエンブレムを配した